
ホクホクじゅわり、冬キャベツのブレゼ。
日に日に街中のイチョウが黄色く色付いてきています。季節が移り変わる瞬間って、どうしてこうも愛おしいのか。毎日変わる街の表情を眺めていると、ついうっとりしてしまいます。
最近アリーでも冬らしい食材が続々と登場しています。そんな中で今回はこちらのメニューをご紹介させていただきますね。

「冬キャベツ コンフィのジュのブレゼ」
シェフからメニュー名を聞いただけで「また、何とけしからん物を作ろうとしているのか」と思いましたよ。シェフのキャベツ料理はどれも
「キャベツって、こんなに美味しい食べ物だったっけ?」
と思わずにはいられないのです。(昨シーズンの冬に出していたキャベツグラタンスープとか、豚バラコンフィの付け合わせのキャベツとか。どれも美味しかったなあ。)
さて、今回の冬キャベツは1/4の大きさをゴロッと使用。これを、お肉をコンフィ(低温の油でじっくり調理すること)した際に出たジュ(出汁)を使用して蒸し煮にしております。蒸し煮にする前に軽く焼き色をつけるのがポイント。ほんのり香ばしい香りも残るのです。
キャベツに焼き色がついたらコンフィのジュで蒸し煮にするのですが、最後に少量のバターを入れています。

仕上がった冬キャベツは、お肉の旨味をたっぷり吸ってくったり。芯の部分までホクホクで、噛むたびにじゅわりとキャベツの甘みやスープの旨味が蕩けます。(キャベツがホクホクしているって、一体何事でしょうか。)
仕上げにバターを使用したことによってまろやかな味わいにまとまっているのもまた罪深い。キャベツだけでなく一番最後に残るスープまで絶品ですので、ぜひパンにたっぷり浸して召し上がってみてくださいね。
一見優しい味わいのように感じますが、どこか中毒性のある味わい。仕上げにかけたブラックペッパーのピリリとスパイシーな風味の効果もあって、お酒がグイグイ進んじゃいます。
これ、ホワイトビールや日本酒に合わせても最高です。日本酒はお米の甘みも感じつつ、スッキリとした苦味も後味に残る戸隠秋あがりはオススメ。この時期だけの限定酒で、間も無く終わりそうな予感。お早めにどうぞ!
「どうせただのキャベツでしょ?」
そんなこと言わず、一度召し上がってみてください。ほっこり体が温まると同時に、幸福感で満たしてくれる。そして、気がついたらお酒のグラスが空になっている。そんな、非常にけしからんキャベツです。