
フランスからピサンリがやって来た!
「今年はピサンリ、仕入れるよ!」
シェフのこの一言にどれだけ心踊ったことか。実際に踊りはしなかったけれど、あまりの嬉しさに歓喜の声が出てしまいました。
無事ピサンリがフランスから海を渡ってやって来た時は、盛大にお出迎えをしてあげました。ようこそ日本にいらっしゃいました!
ピサンリとはタンポポの葉のことで、フランスの春を代表する野菜のひとつです。
初めて口にした時の感動が忘れられず、毎年春になるとこの味が恋しくなります。

タンポポの葉といっても、日本でよく見るあの緑の葉とはまた違ったものになります。遮光栽培と言って光を当てずに育てているため、写真のような淡い黄緑色の見た目です。
シャキシャキと瑞々しく、アンディーブ(チコリ)に似たギューッとした苦味が特徴。この苦味が癖になるんですよ。
(そのままで食べると本当に苦いので、レモン汁入りのお水にさらして少しマイルドにしていきます!)
今回は、これをホタルイカと合わせてサラダ仕立てにしました!

フォークにたっぷりと取って口いっぱいに頬張ると、ピサンリのシャキシャキとした食感とホタルイカのプチっと弾ける食感が同時に楽しめて、もうそれだけで幸せ。
他に葉野菜と菜の花も入っているので、この一皿に春がびっちり大集合しています。
これらを和えているタップナードソース(ブラックオリーブ、アンチョビ、ニンニクのペースト)もまた絶品。
コクがありまろやかな味わいの中に、アンチョビやパンチのある塩気が続きます。
苦味のあるホタルイカやピサンリと合わせても全く喧嘩することなく、しっかりと絡み合ってそれぞれの素材の良さを引き立てあっているのが、本当にすごい。

そして、カリカリっと香ばしいナッツも良いアクセントになっていて、こんなの、お酒が進んで仕方が無い…!
(試食した時、我慢できず気づいたらグラスにお酒を注いでおりました。手が勝手に…。)
キンと冷えたスパークリングや白ワインはもちろん、日本酒との組み合わせもオススメです。
ピチピチとフレッシュな味わいで、つるんっと綺麗な口当たりの<松尾MADARAO(長野県/純米吟醸)>。
華やかでフルーティーな吟醸香が楽しめ、お米の旨味もしっかりと感じられる<紀土KID 山田錦(和歌山県/純米大吟醸)>。
個人的には、こちらとの組み合わせがオススメです!
日本酒の飲み比べも可能ですので、ぜひ春のお料理と一緒にお楽しみくださいね。
今回はホタルイカとピサンリのサラダをご紹介しましたが、他にも春メニューは続々と登場しています。
実はアリー、オープンした翌年に緊急事態宣言等が続いて、しっかりと春メニューをお出ししたことがなかったのです。
やっと皆様に春メニューをお披露目できるとなって、シェフも張り切っています!毎日仕込みをしていて、何だか楽しそう。
ぜひ、アリーの春料理を食べつつ、心もお腹も幸せで満たしていってくださいね。